保健所から引き出されたトヨ丸
引き出されて間もなく立て続けに飼い主様に大きなケガを負わせてしまう。飼い方に問題があったわけではなく環境の変化により精神的にずいぶん追い込まれていたのかもしれない。
環境の変化は生き物に強いストレスを与える。そのストレスは時には異常行動へと発展する。そんな感じの事故だったと思う。
悩んだ飼い主様はG馬県で一番だという訓練士に救いを求めた。
返答は意外なものだった。
『歯を全部抜いて下さい。そうしたら訓練します』
フィラリア陽性だったトヨ丸は容易には全身麻酔をかけられない。なにより歯なんて抜きたくない。その旨を伝えた飼い主様に有名訓練士がかけた言葉は耳を疑うものだった。
『それが嫌なら一生クレートの中で飼ってください』
“一番”なのは常識の無さと口の悪さだったようである。
シェルターに入ることを余儀なくされたレオ
東日本大震災で被災した飼い主様。シェルターに入ることを余儀なくされたレオ。
環境の激変により強いストレスがかかっているうえに元々それほど人好きではないレオは毎日代わる代わる現れるボランティアにうっとおしい思いを隠せなかったのだろう。
犬を上手に扱えるボランティアばかりではない。ちょっとしたことで口が出るようになる。悪化の一途をたどり3年の間に15人ものボランティアを咬んだという。
北海道犬と柴犬のMIXという和犬の血を引き継いでいたのも災いしたのかもしれない。
いくつもの要因が重なり最大限まで拒絶による咬みが強化されていた。
しつけ・訓練は災害時を想定して行っておくことで防げる事故は多い。
『備えあれば憂いなし』
トレーナーや獣医師の利己主義によって手遅れにされた犬たち
効かなくなれば強い薬へ、また効かなくなればさらに強い薬へ。わずか数ヶ月の間に4種類もの向精神薬を飲まされたという。
最後の薬も効かなくなった時、獣医師は『もう手遅れですね』とさらっと言ったという。
ちゃんとしたトレーニングさえ受けることもできなかったリキ。朦朧とする意識の中で学習してしまった悪しき習慣が今なお色濃く残っている。
トレーナーの指導により反抗的な態度を取ったら柱にくくりつけられ新聞紙を丸めた棒で叩かれたコタロウ
飼い主との関係は悪化するばかり。
頭の良い犬種No。1?
手が着けられなくなったら身体能力が高いだけに危険度No.1!
この子に限らずメディアの悪影響は 跡を絶たない
生後半年から訓練を受けたというベル。
“芸”を覚えただけで人との関わり方を教わらなかったベル。従業員を咬み新聞屋を咬み、去勢をされ、頼ったベルの最初のトレーナーは『咬まれたくないので』と見放したと言う。
おじさんになってもこんなにかわいいベル。
幼きベルはきっともっとかわいかったはず。
そのトレーナーは一体何を思いながら向き合っていたのだろう。
どんなに荒くれても自分が手掛けた子は死ぬまで卒業生のはず・・
訓練とは一生を左右する重要な教育。飼い主には死ぬまで付き合えるトレーナーを選んでほしい。